ビッグマックソースで手作りビッグマックを作ったらビッグマックソースが邪魔だった話

居酒屋なかおち


ビッグマックなんてペロリだよ(からの胃もたれ)

 ビッグマック。それはビッグなマック。関西の人はビッグマクドと呼べよ、あとマックシェイクもマクドシェイクだからな、と北関東の山猿である僕はいつも思うでおなじみのビッグマックだ。

 初めて食べたのは確か5歳とかそんな歳だったろうか。こんな食べ物が世の中にあるのかと感動し、学生の時分は財布に余裕があれば好んでビッグマックを食べたものだが……歳とるとほらアレよ、言わせないでほしいがキツくなってくるのだコレが。寂しい。

雄々しいビッグマックの御姿(マクドナルド公式より)

 というよりも、歳くってくるとファストフードでお腹を膨らませたくないというか、せっかくの食事にいつでも食べられるマクドナルドをわざわざ選択しなくなるよね、という話かもしれない。今日?ケンタッキーにはしなーい↓↓重いからーみたいなテンションでなにもファストフードでなくてもよいよな、と思ってしまうものなのだ。

 とはいえビッグマックの味わいは唯一無二で、たまーに無性に食べたくなるメニューの一つであることは確かだ。でもわざわざ行って食べるのもなぁ、ビッグマックハーフとかあればいいのに、というか家で小さめのビッグマックを作れちゃったらそれはそれでいいのにな、と思っていたところ、何年か前に
「これビッグマックソースじゃね?」

 とtwitter(自称X)界隈で少しバズりましてね、うわコレだよコレ、Amazonで検索してみるとしっかりあるじゃないですか、これはさっそく欲しいものリストという名の、リストには入れたがまぁ買わねぇけどなという、意味合い的には買いたい気持ちの墓場リストとでも言えばいいのだろうかそのリストに入れたままにしていたのだ。


念願のビッグマックソースを手に入れたぞ

 で。わりと最近になって、全国区的にみれば知らない人も多いかもしれない業務系の大手スーパーである「肉のハナマサ」にて400円台というまぁまぁお買い得な値段で陳列されているのを見かけたのでこれはヤッフー!とばかり喜びの心を弾ませ、ねんがんのビッグマックソースをてにいれたぞ、となったのだ。ヤッフー。

 さて家に帰り、はやる心を抑えつつその味を確かめてみると……なるほどこれはビッグなマックなソースの味だ。間違いない、ヤツが、ヤツが来たんだ!

ねんがんの ビッグマックソースをてにいれたぞ!

 オーロラソースにちょいと独自のスパイシーさが加わり、あの独特の甘酸っぱい味に郷愁を誘われる人も多かろう、僕もその一人だ。

 ならこれでホームビッグマックパーリィ、といこうじゃないかとなるのは必然。せっかくなら本家のビッグマックの美味しさをはるかに上回る逸品に仕上げようじゃないかとなるのもこれまた必然。バンズもパティも近所で手に入る最上の素材で作ってみるか、と。さぁ楽しくなってきた。


スーパーアキダイにて食材を揃える

 日本一、テレビのニュースなどで有名な八百屋と言っても過言ではない、知る人ぞ知るスーパーアキダイ。このアキダイで素材をそろえようと思う。

アキダイ♪アキダイ♪

 バンズはアキダイの経営するアキパンで調達。ここで使われている小麦はすべて国産、毎日お店で丁寧に焼き上げられたパンはどれも美味しい。
 普段、ハンバーガー用のバンズのみという形で売られてはいないが、バンズだけわけてもらえないだろうかとお店に聞いてみたところ快くバンズだけ売ってくれた。感謝。美味しい手作りハンバーガーに仕上げますと告げるとうれしそうに笑顔を返してくれた。
 人生にはこのようなちょっとした図々しさはまぁまぁ許されるものだ。その代わりに相手に対して感謝の意をしっかり伝え、これはこれで楽しそうだからまぁいいか、と感じていただければよいのかな、などと思ってみたりだ。

 それからアキダイでパティの肉、タマネギ、サニーレタスを調達。ちょうど社長が本店にいたのでとっつかまえてポーズとってもらった。

秋葉社長にお願いして一枚いただいた。イェイ♪

 昨今テレビで見ない日がないんじゃないかというくらい有名人になってしまって本店でも出会う機会がめっきり減ったものの、僕はこのアキダイで買い物させてもらって……どれくらいになるかなぁ、確実に20年は経っているような気がする。社長も僕の顔くらいは覚えてくれていて、お願いすればこんな風にお写真いただくことができるような間柄だ。店頭にいないとき、別の店員さんに「今日社長どうしたの?」と聞くと「あーなんかテレビ局の運動会に出るとかで一日いないんスよ」とか何やってんすか社長、みたいなこともある。「ホントなにやってんだよって感じで、今度言ってやってくださいよ、店にちゃんと出ろって」とか僕に言われましてもな、困ってしまいますわ。


材料はだいたい揃った 

 材料はだいたいそろった

 マクドナルドと言えば牛肉100%パティ。牛肉以外の肉は使用していないということであれば是非もない、こちらも牛肉、しかも和牛の薄切り肉を包丁で粗くミンチにして肉々しくもジューシーなパティで迎え撃つのみである。

 とはいえ、肉をただまとめて形成しただけでは焼いている最中にバラけてしまう。なにかつなぎ、結着材の役目をするものが必要だ。マクドナルドの場合は合成された添加物を使っていると思われるのだが、こちとら一般家庭にそんなものはないしあったとしても使わないですむなら使わずにすませたい。
 普通、ハンバーグを形成するつなぎには卵とパン粉などが一般的だ。ほかは豆腐、ご飯粒、片栗粉など一風変わったつなぎを入れる人もいるようだが僕は必殺のつなぎ素材を見つけだしているので今日はそれを披露しよう。それはずばり『切り餅』だ。

切り餅を刻んでスタンバイ

 この切り餅、今回のように肉だけを結着する目的の場合はめっぽう具合がいい。まず肉の味と食感を邪魔することがない。ほかのパン粉などのつなぎの役目をはたすためにそこそこ高い割合で肉と混ぜないといけないが、切り餅は少量でも肉になじんで粘って引っ付く。だってお餅だものな。

 その切り餅をこうして包丁で刻み、同じく包丁で刻んだ薄切り肉のミンチと混ぜる。火が通れば溶けて糊のような役目を果たしてくれる。

肉を庖丁で叩きミンチにし、塩コショウとお餅をIN

 おっと、一つ忘れていた。マクドナルドのせいでコイツが嫌いになったちびっこも多いでおなじみ、ピクルスだ。

「一体いつから自身をめっちゃしょうがだと錯覚していた?」

 なんであんなに美味しくないピクルスを採用したのかいまだに理解できないほどマクドナルドのピクルスは微妙な味だが、これは家で漬けたちゃんとしたピクルスだ。これも今回は使ってみることにする。


では早速焼いていこう

家で鍛え上げられた鉄のフライパンが唸る

  お肉の焼ける香りがキッチンに漂う。匂いだけでわかるこの美味さ。最高だぜ。

 焼き方は……新鮮な和牛ゆえミディアムとしておこう。これはマクドナルドのパティには真似できまい。
 とはいえ、たとえミディアムだったとしても肉に赤い部分があった場合は雑菌が繁殖していることもある。そのためそこそこ危険と隣り合わせであるため、個人で焼く場合は自己責任でお願いします。まぁ一般のお肉屋で買うならば常識的な火入れをすれば大丈夫なはずだけれどね。

 肉が焼ける時間を見越してバンズをトースターにイン、中程度の温度で軽く焦げ目をつける。アキパン特製国産小麦のパンが焼ける、香ばしい匂いが漂う。たまらない。

 今回はバターも奮発してカルピスバターを使用。まるでミルクのような風味で美味しい。ここ一番というところでいつも使っている(お値段はそれなりにするからね)。

美味しいよねカルピスバター

 バターを塗ってレタスを大胆にのせ……

ドドン!

 パティをドドン。

 そしてソースをたっぷり。今回はソースの味と牛肉を邪魔することのないようチーズは使わないことにした。 

ピクルス、玉ねぎのみじん切りをたっぷりのせて……
できたー!

 こんなもんだろうか!

 親バカだけれど本家のそれより圧倒的に美味しそうじゃない?


実食!!……するも😱

 で、いざ実食!!……してみた……の……だが……

味的にビッグマックソースが邪魔ぁああああぁ……

 ひええええ……
 肉は美味い。パンも美味い。レタス、ピクルスも美味い。でもビッグマックソースが邪魔!!

 邪魔……邪魔……うぅ……

 他の具材、ひとつひとつのグレードが高いせいかチープなソースが一人で全体の味バランスを壊しちゃってんだよなぁ……なんてこった。

 これ美味しんぼのハンバーガーの回と同じだ。美味しんぼでは肉と野菜は極上だけれどパンがダメで味のバランス崩してしまって海馬雄山に怒られていたのだが。
 この場合はあきらかに肉とソースがかみあっていない。これだったら肉を焼いた後のフライパンにバターと、そうだな醤油かバルサミコ酢かどちらかかな、を一緒に煮詰めて肉に絡ませると美味いかもしれない。というかそれしかないだろと今口の中で行き場を失っているハインツのビッグマックソースを味わいながら思った。

 いつかまた「雄山を唸らせるとは生意気なっ!」……と海原雄山に言わしめるくらい美味しいハンバーガー作ってみようと誓う。絶対にだ。

今回のお酒🍺

 バドワイザー

 ハンバーガーだしね、肉!ソース!ビール!USA!でしょうということで選抜。
 ビッグマックソースと、バドのライトな味わいは相性がよかった気がする。それがせめてもの救いかなぁ。