巨大ズッキーニが攻めてきたぞっ!
皆さんお住まいの地域には「野菜無人販売所」はあるだろうか。意外とお思いかもしれないが東京にもあるんですよ。さすがに野菜が野置きになっていて缶詰に入れるというスタイルではないけれどね、自販機タイプが多い気がします。
東京外れの野菜自販機
東京の23区を外れた端っことなると、とたんに都会っぽさが消えて畑などがちらほら見えるようになる。これどこかで書いた気がするな。シャトレーゼのワインの時か。
外れとはいえそこはやっぱり東京、相当な広い農地を持った地主さんに「そんなに簡単に土地も売れないし農地として持っていなきゃならないから大変なのよ」的なお話しを伺ったことがある。「そんな事情もあって道楽半分で農業やってんのよね」ともおっしゃっており、そのあたりは東京の農用地主あるあるらしい。
それでその道楽半分で作られた新鮮お野菜がその土地に設置してある無人販売機で売られたりしているのだが、当たり前なのかもしれないがその野菜達はとても美味しい。
そんな経緯で僕もその野菜を頂いている一人だ。朝採れサニーレタスとか本当に美味しいんだよな。
で、とある日にちょうど自販機にオーナーさんが野菜を入れているところに遭遇して……なんじゃこりゃ、と驚いたのがこちらだ。
巨大ズッキーニに遭遇する

どうですこのクソデカの雄々しい姿。これ実はズッキーニなのだそう。最初まじめに「これ冬瓜ですか?」と聞いちゃったもんな。
「これは冬瓜ですか?」
「いいえ、これはズッキーニです」
と、ニューホライズンでしか見たことない会話にもなるよそりゃ、というデカさだ。
聞くと、八百屋やスーパーに並んでいるズッキーニって出荷のため箱詰めしやすいようにあの大きさで収穫しているのであって、うっかり収穫時を逃すとこんなにでかくなるらしい。知らなかった。確かにキュウリとかも放っておくと大きくなって黄色に熟していくしな。
農家さん曰く「でもこのくらいが限界サイズかな、これ以上育つと種も大きくなって食感が悪くなる、で、身がスカスカしてくる」とのことで、え、もっとデカくなるのかよコイツ、と思うと同時になるほどキュウリと同じ育ち方であることを知るに至る。キュウリも確かに育ちすぎると種がぐいぐい主張してくるしね。
でもお高いんでしょう?とうかがったら「100円でいいよ」とのことでやっすぅ~~い♪というヤツだ。もちろんいただいていきますとも。

……だが食が細くなった我々夫婦二人で食べきれるのか、と不安になる大きさなのは言うまでもない。
輪切りにしてみる
もちろん縦に切ってもよかったのだが、こう大きいと輪切りにしてみたくなるでしょ。

まずはこのままグリルしてみますかね。

冷蔵庫に豚肩ロースの薄切り肉があったので、これも一緒にソテーしてズッキーニの輪切りハンバーガーにしてみよう。青山あたりのお洒落カフェみたいなルックスのバーガーになる予感がする。青山なんて仕事以外じゃ行ったことないけどな。

焼きあがった玉ねぎとズッキーニを引き上げて、折りたたんであるそのままの肩ロースをスパイスソルトで下味をつけて焼いていく。こうするとわざわざまな板と包丁を使わずとも食感の柔らかいパティを焼くことができるのだ。
以前に後悔した経験をふまえて、今回はバター醤油で味付けしよう。

焦がしバター醤油の香りがたまらん、日本人に生まれてよかったというヤツだ。
最後にチーズをトッピングして、具材の準備は完了。
軽くトーストしたバンズで挟んだら……

ズッキーニの主張がなかなか映えていてグッド。
味?そりゃもちろん美味しいですとも。青山の味がする。青山で食事なんてしたことないからわからんけど多分青山味だ。
いや真面目にレポートするとズッキーニとバター醤油って合う。ズッキーニはもともとが淡泊な味わいなのでこってりとした味付けと相性がいいようだ。そして玉ねぎと豚肉がそんな醤油バターにドレッシングされたズッキーニを力強く支える、そんな味になり大変満足だ。
なーのーだーがーー
なのだが。これでズッキーニの全て食べきったかと言えばぜんぜんそんなことはない。これだけ大きければ2切れぽっちを抉(えぐ)られたくらいではびくともしないよな。
怪獣ズッキーニの討伐作戦はまた後日ということになり、第ニ戦のメニューはどうしようかなぁと思いをはせる。最初に輪切りにしてしまった以上、輪切りの形で成立する料理にしたほうが合理的ではある。けどなぁ、BBQとかにでもする?それも芸がないよなぁと悶々としていると、冷蔵庫整理していたかみさんが
「このグリルチーズってやつ、賞味期限が近いわよ」
と、冷蔵庫の奥から発掘してきたのがコレ。

ギリシャグリルチーズ、フライパンなどで焼いても美味しい、癖のないチーズだ。
お、そうか、このチーズがあったじゃないか。先日にバターと合わせてそのコッテリとした脂分との相性がよいのは織り込み済み。チーズといったらトマト、トマトといったらバジル、バジルといったらアンチョビ、アンチョビといったらバケット♪〜というマジカルバナナ的なリズムでメニューが組みあがった。
「ズッキーニとハルミチーズのソテー・トマトソース」
代官山あたりにあるカジュアルイタリアンの店にありそうなメニューだ。
材料はこちら。


味付けはみんな大好き「ふ~塩」にしよう。

世の中的には「ほりにし」が趨勢(すうせい)かもしれないけれど、僕は断然ふ~塩だ。もしふ〜ちゃんがアイドルデビューしたら全力でサイリウム振るうためにライブに出かけるんじゃないかというくらい家ではよく使わせてもらってる。


火の通ったズッキーニを取り出してトマトとバジルをIN。

なかなかいい画でしょ?
味のほうはもちろん美味い。代官山味だ。代官山で食事なんてしたことない……いや仕事の接待で食事はしたことあったなそういえば。で、その味を思い出してみると間違いなく多分代官山味だ。
と、言うてますけれど。本当の味はというとズッキーニのほっこり食感をチーズが包み込み、アンチョビの旨味が味の下支えをしていてとても美味だ。そしてトマトとバジルの香りで風味がこの料理全体を華やかにしている。
別に巨大なズッキーニでなくともたいへん美味しいレシピとなっているので、今度の休日にでもぜひ作ってみてTRY。
今回のお酒
料理の方向から見て合わせる酒はワインなのかもだが……チーズの産地と合わせてギリシャワインという組み合わせも考えたけれどフランスやイタリア、スペインなどのメジャーどころではないワインを手に入れることは東京住まいでもまずまず面倒だなと。的な言い訳が完了したところで今回はあえてハイボールにしてみた。弾ける炭酸とスモーキーな香りとトロっとしたチーズはそりゃ相性がいいに決まっているさ。

世界でも数少ない「ブレンデッドモルト」の雄
そんな視点から選んだブレンデッドモルトウィスキーという少々レアなカテゴリーにあるグラッドストンアクスだ。ブレンドウィスキーのうち9割はグレーンウィスキーもブレンドされているのだが、ブレンデッドモルトはその名の通りモルトウィスキーのみでブレンドされている。
なのでシングルモルトとブレンドモルトの差はあるはず……なのだが僕程度の舌と鼻ではまったく区別もつかず、ただ「美味しい!」しかない。TVに出たてで緊張しまくりの坂系アイドルみたいな感想しかなくて残念だが多分イギリスのウィスキー蒸留家はわかるのかなぁ。

19世紀にイギリス首相を務めたウィリアム・エワート・グラッドストンの名に因(ちな)んだこのウィスキー、味のバランスがいい……が、言ってみればそんなに個性はない感じ。でも香りの広がりがとてもよい。いい香り。深い、ではなく広い、みたいな印象。ハイボールなどでも楽しめそうだ。
値段もそんなに高くないので興味のある方はぜひ。その辺の酒屋さんにあるような流通はしていないのでネットでポチっとな感じですが。